マルティネス・ファン・スカウクフェイク観光大臣は3月22日、南アフリカ観光格付け協議会(TGCSA: The Tourism Grading Council of South Africa)が宿泊施設の格付けを星の数で示す際の認定パネルの新デザインを東ケープ州・ポートエリザベスで披露した。また発表式典では宿泊施設や会議・展示・イベント施設などで、身体障害者への配慮が施されていることを示すユニバーサル・アクセシビリティの認定パネルも併せて発表した。今回の認定パネルの刷新は、格付けに際しての審査基準を改訂したことに伴うもので、TGCSAにとっては非常に大きな意味を持つものとなった。
改訂前の審査基準は2002年に導入されたもので、格付けの基準や最低必要条件の適用に関する矛盾点、また不適格な管理プロセスやシステムなどによって、星の数の認定に際して一貫性の欠如が指摘されていた。
これに対応してTGCSAでは審査基準システムの見直しを2008年に着手。以後、いくかの改訂が加えられてきた。主な改訂ポイントには南アフリカ国内の各州から4人の格付け査定統括責任者の任命、有資格査定人の能力や業務実績に対する厳格な評価の導入などが挙げられる。
また査定人に対してトレーニングプログラムを導入。年一回の復習コースの受講を義務づけた。これと併行して宿泊施設の組織内に存在していた査定人の廃止を順次進めている。これまでは各ホテルグループが従業員を対象にTGCSA の査定システムに関するトレーニングを通じて、自社スタッフを査定人として認定していた。しかしTGCSAでは組織内の査定スタッフによる自己評価をこれ以上は受け入れられないとし、ホテルグループなどに対しての新たな指導に取り組んでいる。
新たな格付け認定パネルのお披露目に際して、南アフリカ観光格付け協議会の最高品質保証責任者であるテンビ・クネーネは「新しい認定パネルの導入はブランド価値の維持に繋がるものであると同時に、星の数の不当表示と乱用を根絶することになる」と述べている。新しい格付け認定パネルでは各宿泊施設が分類されるカテゴリー名の上部に星の数が表示され、認定パネルの所有者はTGCSAであるとする一文が明記された。これにより格付け機関の職員は必要に応じて宿泊施設内に合法的に立ち入り、認定パネルを取り除くことが可能となった。さらに認定パネルには各宿泊施設のメンバーシップ番号と連動した特殊なナンバリング表示も施される。
今回の発表式典に出席したマルティネス・ファン・スカウクフェイク観光大臣は「格付け認定パネルは海外・国内の旅行客に対する品質保証のシンボル。宿泊または会議施設を選択する際の判断材料として星の数は信頼のおける指標でなければならない。認定基準の改訂に至るまでの過程においては、観光産業にとって最良なものとするために膨大な時間と労力が費やされた。これは旅行目的地としての南アフリカの国際競争力を確実に維持することはもちろん、品質保証において世界にお手本を示すことを目指した取り組みである。しかしながら、システムの善し悪しはそれを実際に運用する人々の裁量にかかっている。宿泊施設の利用客は受け身であるばかりでなく、システムを能動的に働かせることにもなる。南アフリカ人には低レベルのサービスを受け入れる傾向が見られるが、サービス改善を継続的に図っていく上でも、不満はしっかりと伝えて適切なフィードバックをすることを強く求めたい」と述べた。
本件に関する問い合わせは:『南アフリカ観光局』広報 エンゴー
担当:鷲見考紀(sumi@en-go.jp)、坂本徳土 (sakamoto@en-go.jp)