崖上から落ちる水流と轟音の迫力に圧倒されるオーグラビーズの滝との出会いに、多くの旅人は畏敬の念を抱きます。この周辺地域では多種多様な野生動物と花、ムーンロックからの絶景など自然の魅力を体感できる様々なアトラクションが楽しめます。
先住民コイ族の人々はオーグラビーズの滝を「大きな音が発する場所」と称していますが、この地を訪れればその理由はすぐに納得できます。特に多雨でオレンジ川の水量が増すと、高さ56メートルの崖上から落ちる水流が大音量をとどろかせます。迫力満点の滝が呈する様相は忘れることのない旅の思い出として長く心に残るに違いありません。
北ケープ州・アピントンから西へ120キロメートルほどの地点に位置するオーグラビーズの滝は、多様性に富んだ固有の植物と動物が生息するオーグラビーズ国立公園の一画を占めています。代表的な固有植物として挙げられるのは、5〜6月頃になると鮮やかな黄色の花を咲かせる矢筒の木(別名アロエディコトマ、高蘆薈)。先住民コイサン族は数千年前、狩猟の際に使用した矢筒をこの奇妙な姿の木から作っていました。
オーグラビーズ国立公園では古代の狩猟採集民族が生活を営んでいた時代へとタイムトリップしたかのような風景に出会うことができます。先住民に習ってじっと座って辺りを眺めていると、ヒョウやジャッカル、ワイルドキャットなどの捕食者の挙動に注意を払いながら草原で草を食むクリップスプリンガーのつがいの姿を目にできるかもしれません。公園の敷地内にはクリップスプリンガーの他、スタインボック、スプリングボック、オリックス、クドゥ、エランドなど、狩りの対象となる数多くのレイヨウ種が生息しています。公園内を散策の際、運が良ければこれらすべての動物に出会えます。
そしてクライマックスはクジラの背中のような形をしたドーム状の巨大な岩で、オーグラビーズの滝国立公園を象徴する存在でもあるムーンロックの頂上から一望できる公園の全景を俯瞰でお楽しみください。園内で絶景が楽しめるベストスポットはここです。