ヨハネスブルグから北へ50キロメートルほどのところにある、マハリスバーグ山脈の丘陵地帯に囲まれたプレトリアは、南アフリカの首都であり、政府機関や官庁、各国の大使館が集まる行政の中心地です。
プレトリアには、コロニアル様式にわずかにアール・デコや南アフリカのスタイルが感じられる歴史的建造物が数多く存在します。
街のランドマークである、ユニオン・ビルディングスは南アフリカの政府の中枢機関が集まる重要な建築物。12年もの歳月をかけて1913年に完成したこのビルの名前は、当時の国名が南アフリカ連邦(Union of South Africa)だったことが由来しています。またフォールトレッカー・モニュメントは、独立国を作るためケープ地方からこの地に辿り着いたボーア人開拓者の歴史を讃える記念堂。「我は南アフリカのためにあり」とアフリカーンス語で書かれた碑があり、ズールー族との戦いに勝利した日の毎年12月16日正午、天井から差し込む日光が文字を照らす設計になっています。その他にも、南アフリカ大統領の住居(Mahlamba Ndlopfu)や、南アフリカ準備銀行、ロフタス・ヴァースフェルド・スポーツスタジアム、国立劇場なども訪れる価値のある見どころとなっています。
歴史に興味のある人はぜひ、フリーダムパークにも足を運んでみて下さい。「自由への道のり」をテーマとした南アフリカの歴史を概観する壮大な公園には、南アフリカ共和国元大統領ポール・クルーガーの歴史的な住居も残されています。
プレトリアは教育機関が数多くあることでも知られていて、アフリカで最も大きい大学である南アフリカ大学、ツワネ工業大学、プレトリア大学などがあります。
こういった街の特徴や、積み重ねられてきた歴史を感じられることから、南アフリカのどこよりも落ちついた雰囲気が漂い、きっと居心地の良さを感じることでしょう。
また忘れてはならないのは、プレトリアが「ジャカランダ・シティ」であるということ。南アフリカの桜とも称されるジャカランダは、毎年10〜11月になるといっせいに花が咲き、街一面を美しい藤色に染めます。もともとはブラジルから持ち込まれたというジャカランダがおよそ7万本も植えられた街路樹は街の名物で、特にこの時期は日本からも多くの観光客がこの地を訪れます。
2010年には日本と南アフリカの国交樹立100周年を記念するイベントの一環で、プレトリアで桜の木の植樹も行われるなど、日本との交流も深い都市であることがわかります。